2025/01/01 00:00

ヨーロッパの古着には、レーヨンの一種であるビスコース(Viscose)が素材に使われたものが多いです。ビスコースは木材パルプなどの自然素材を原料にした「人絹」とのも呼ばれる繊維で、シルクのようななめらかな肌触り、やさしい光沢感、とろみや落ち感などが特徴です。ドレープがきれいなドレスによく使われているのがこの素材です。


ビスコースはシルクと同様にデリケート。当店でビスコース100%の衣類をケアする場合、生地の強度やアイテムによりますが基本は手洗い、生地に厚みがあり劣化の心配もなさそうなものに関しては洗濯機のドライモードで洗っています。


水温は30度程度のぬるま湯が最適。脱水は1分ほどで切り上げて、ハンガーで吊り干しまたは平置きで乾燥させます。水に弱くシワになりやすい繊維のため、アイロンは低温、スチーマーなしで仕上げることが基本です。とはいえ、結構ガンコなシワができたり洗濯すると多少縮む素材なので、自己流ですが仕上げにスチーマーを使うことも多いです。


個人的にビスコース(レーヨン)は特にピンキリだなと思う素材で、良い生地はコットンやシルクなどの天然繊維にも劣らない美しさがあると思うし、質の良くない量産品などは一度洗うと激しく縮んだり型崩れを起こしてワンシーズン持たないといったものもあります。その点で、当店で取り扱う1970~80年代のビスコースのアイテムは、良品が揃っていると自負したいです。


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