2025/01/01 00:00

冬に欠かせないセーターやアウターに使われる天然繊維です。繊維そのものに天然の抗菌・防臭作用が備わっているため汗や皮脂のニオイがつきにくいため、本来なら洗濯をする必要がないと言われていますが、これはウールの品質(※1)よるため、普通は定期的にお手入れされることをおすすめします。


ニットは手洗いが基本ですが、当店ではたくさんの商品を洗濯処理する必要があるため、ローゲージニットなどを除いてウールの洗濯には洗濯機を使用することが多いです。


30度以下のぬるま湯を溜めた洗濯槽に中性洗剤を溶かし、ランドリーネットに一枚ずつ入れたらそのまま3分ほどつけ置きします。水の温度が下がらないうち軽く押し洗いをしたら、水を流してそのまますすぎを行い、30秒ほど軽く脱水にかけます。ウールは水温が低下する過程で縮み、また脱水をしすぎると繊維が絡まり合ってフェルト化してしまうので手早く行うのがポイントです。30秒の脱水だと、厚手のニットやアウターは水分がにじみ出るぐらい残っていることもあるので、その場合はタオルに挟んで水分をしっかり吸い取らせます。


乾燥は平干しで行い、直射日光は絶対に避けること。以前、乾燥時になんらかの化学反応を起こし、白いニットに薄茶色のまだら模様が出現したという経験があります(※2)。乾燥後にゴワつきが気になる場合はアイロンを浮かせた状態でスチーマーで仕上げるとやわらかく仕上がりますよ。


※1:羊毛に含まれるラノリンという成分に抗菌・防臭作用があるのですが、一般的に流通しているニット製品は製造の過程でこの成分を洗浄してしまっており、作用が消失しているそうです。当店ではルーマニアやスコットランド製の手紡ぎのウール商品をいくつか取り扱ってきましたが、そのようなアイテムにはその作用が備わっていると考えられます


※2:普通、水分が完全に抜けて乾燥している状態であればこのような変化はないので、着用時にこのようなトラブルが起こることは考えにくいです


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